Billboard Live TOKYO / Billboard Live OSAKA
1年間、数々のライブに足を運んでくださった[ライブの達人]に、
印象に残っているライブ、そして2013年への期待を語っていただきました。


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DANIEL LANOIS

ROBERT GLASPER EXPERIMENT
 2012年もいろいろとドキドキさせてもらいました。ベストはアーロン・ネヴィルかな。もう滋味ありまくり、夢心地でした。次点は、生バンドを擁し娯楽性もたっぷりのショウを繰り広げたビッグ・ダディ・ケイン・ウィズ・カーティス・ブロウ。さらに、ダニエル・ラノアやボビー・ラッシュやスタンリー・カウエルといった“視点”の効いた気張った出演者たちもなかなかに“体験”、楽しめました。それから、個人的にはチャカ・カーンとベティ・ライト、2人の女傑R&B歌手の楽屋でやったインタヴューがとても印象に残っている。ぼくの2012年のベスト作の1枚はボニー・レイットの『スリップストリーム』、彼女をここで見るのはかなわなかなー。
佐藤英輔(音楽評論家)
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 2012年も多くの弊社アーティストが大変お世話になりました。
 (お仕事とは全く関係ないのですが、、) 個人的には6月に行われたロバート・グラスパー・エクスペリメントがダントツ印象に残ってますね。そのストイックなまでの緊張感、張り詰めた空気は殺気にも似たソレでした。年明けにはレイラ・ハサウェイを率いて再来日されるそうで。否応なしにそちらも期待大です。
 2013年は、今年デビュー・アルバムをリリースした“マイケル・キワヌーカ”(夏の公演を見れなかったので)の来日も決まったそうで、あとは新世代メロウ・マスター“フランク・オーシャン”などのパフォーマンスがビルボードライヴで見れたら嬉しいなあ。
 それからレゲエもの。会場は違ったのですが今年9月に行われたフレディ・マクレガーの公演が非常に素晴らしかったのでビルボードさんでも見てみたいです。先日新作を発表したベレス・ハモンドなんていかがでしょう?? それでは2013年もよろしくお願い致します! 
上野将也 (VICTOR ENTERTAINMENT, INC.)
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 今年も観られたアーティスト、そして今年初めて観る事ができたアーティスト・・・それぞれ堪能させて頂きました。リラックスしながら至近距離でライブを感じられる事は、ビルボードライブ東京最大のご褒美。ハワード・ジョーンズ、SWV・・・柔らかさとバネ、対極のライブは、初めて観ました。今後は、毎年念じているアニタ・ベイカーに是非!それと、デヴィッド・フォスター&フレンズのコンサートを別会場で観た時に『この人だ!』と思ったアーティストがいる。このコンサートは、客席から歌をデヴィッド・フォスターに聴いてほしいお客さんが選ばれて披露するんだけれど、今回はあの人が偶然にも選ばれた。彼の18番『Fly Me To The Moon』を歌っている姿を見て『・・・!』まさかのTOKUだった。彼の憂いある声とフリューゲルホルンの音色を、このビルボードライブ東京で感じたい。2013年も居心地のよい場所でいてください。
高頭なお(bayfm 「BAYLINE Go!Go!」 DJ)
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 大野雄二さんと言えば、もはや説明の必要も無いと思いますが「犬神家の一族」「人間の証明」等数々の映画音楽から「大追跡」等のテレビドラマ、NHKの長寿紀行番組「小さな旅」のテーマソングに至るまで、誰でも一度は耳にしたことがある音楽を数多く発表し続けています。そして代表曲の一つで国民的アニメ「ルパン三世」のテーマ曲の魅力満載「大野雄二&ルパンティック・ファイブ」が5月29日にお世話になりました。昨年も同じ時期5月30日のライブでしたが、なんと当日は大野さんの誕生日。今年は誕生日前日となりましたが、このビルボードライブさんでの誕生日メモリアルライブが毎年恒例となりつつあります。
 ライブはルパンナンバーの他にも、今年3月にリリースしたジャズピアノのカバーアルバム「BOSS PIANO」から「You Are My Sunshine」「Manteca」「Georgia On Myind」等のスタンダードナンバーも披露。また、昨年5月にリリースしたルパンナンバーのジャズアルバム「LET'S DANCE」の収録曲「A.T.M」で競演するなど大変親交の深いTBSアナウンサー土井敏之さんが飛び入り、アドリブで圧巻のメンバー紹介が飛び出すなど楽しいライブとなりました。
 用意して頂いたバースディケーキもおいしかったです。ありがとうございました。
植木裕司(バップ/プロモーター)
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2012年印象に残っている公演
ビルボードの公演で印象深かったのは、年明け早々のダニエル・ラノワです。細部まで神経の行き届いた絶妙のアンサンブル、それでいてどこまでも激しいロックが聴け、幸福な気持ちになれました。ほかの会場のライブでは、マイ・モーニング・ジャケットやフリート・フォクシーズ、ダーティー・プロジェクターズなどのUS勢が充実していました。伝統的なスタイルを踏まえた上で、自身の色やパッションをどう出すのか、あたり前のことかもしれませんが、そこに自覚的なアーティストがいいパフォーマンスを見せてくれるようです。エレクトロ系では、2回見たスクエアプッシャーのLEDスクリーンを使ったライブも強烈でした。
2013年期待・待望の公演
ぜひ呼んでいただきたいのは、ロバート・ワイアット!生であの声、聴きたいです。年明けのビルボード公演ではロビン・ガスリーがどんな音を聴かせてくれるのか、楽しみです。
2012年リリースのベスト作品
年間ベストアルバムもやはりダーティー・プロジェクターズやグリズリー・ベアといったUS勢の新作ですね。
桜井学(読売新聞東京本社文化部)
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 2012年、最も印象に残ったビルボードライブでの公演? そりゃもちろんバビ・ウォゥマック(Bobby Womack)に決まってる。脚を痛めているなら、どう考えても負担がキツそうな脚の組み方するなよ! わざわざ横にギターを置いてるんだから、ちゃんと弾いてくれよ! 乳首スケスケのシャツを着るなよ!……と、いろいろ言いたいことはあるが、でも最高だった。資料にあった「ジャンル: Soul Legend」にも納得。
 というわけで、2013年に見たいのもソウル・レジェンドだ。アル・グリーンとか。でも、Maxwellも呼んでね。
丸屋九兵衛(bmr)
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BOBBY RUSH

CANDI STATON
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 今年のビルボードライブ大阪で、と言うよりは、2012年観たライブの中でも指折りの感動を体験させてくれたのは、Fried Prideの2人。僕らは職業柄会場の一番後ろからライブを観ることが多いんですが、この日はたまたまステージ脇の席から観ていて。この席はアーティストの目線に近いというか、お客さんの顔がすごく見えるんです。客席にある幸福そうな幾つもの笑顔を観ていて、音楽とは、ライブとは、その笑顔を生み出すことの出来るFried Pride=アーティストとはすばらしい職業だなと、心底思わされました。新譜の取材でお会いした直後に倒れられた横田さん(g)の復活後ライブというドラマも重なって、大げさですが音楽の奇跡を感じさせてくれた忘れられない一日ですね。2013年に期待しているアーティストは、ジャンク フジヤマです。山下達郎らの血統を受け継ぐ、若い世代では稀有なアーティストだと思います。デビューしたての新人でありながら、ビルボードライブのステージに立てているということが、それを証明していると思います。Check it out!!
奥“ボウイ”昌史(音楽ライター/ぴあ関西版WEB)
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 ズバリ、今クラブ&レストラン・スペースで、世界で最も興味深いブッキングをしているのがビルボード・ジャパンと言いたいほど、エクスクルーシブでハイセンスなライブを今年も沢山観られました。2月のバーケイズ、JDサウザー&カーラ・ボノフ、8月のジャック・ブルース&Char&屋敷豪太、9月のエリック・アンダーソン。CS放送でアーロン・ネヴィルやロン・セクスミスなど、例をあげればキリがないといった感じで、いずれも素晴らしかった。また邦楽の大御所のプログラム、意外なコラボレーションも時折目立つことから、来年はまた思わぬサプライズが待っているのではないかと、ますます期待は膨らむばかりです。
横関清高(beatleg magazine/雑誌編集者)
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 2012年もビルボードライブは音楽ファンの心強い味方だった。ブルースやソウルといったブラック・ミュージックの伝統を背負ったアーティストの公演を日本国内で観られる機会は限られているけれど、今年2012年のとくに前半は「待望の」と形容される公演が続いて、うれしい悲鳴を上げっぱなしだった。ボビー・ウーマック、ベティ・ライト、ボビー・ラッシュ、キャンディ・ステイトン、どれも今も胸の中でステージの様子がゆっくりと再生できる特別な公演だった。なかでもしびれたのがベティ・ライト。40年以上のキャリアを誇り、“弟子”も数多いベテランだが、アフロヘアのウィグを付け、ハイトーン・ヴォイスを自在に操るその姿は現役ど真ん中。亡くなって間もないホイットニー・ヒューストンへの追悼コーナーも設けるなど、今を生きるソウル・シンガーの強さと美しさがまぶしかった。ぜひまた来てほしい!
濱田廣也(ブルース&ソウル・レコーズ編集長)
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 時の人であり、孤高のピアニスト、ロバート・グラスパーの公演が想い出深い。新作『Black Radio』を携えてビルボードライブに登場し、今のジャズを見せつけてくれた。口うるさいジャズ愛好家にもヒップホップ感覚というものをレクチャー出来た一夜だったのではないだろうか。ジャジーB率いるソウル・Ⅱ・ソウルが、初代歌姫のキャロン・ウィーラーを連れ登場した公演も最高の一夜だった。クラブミュージックの歴史が始まる、80年代にロンドンから世界中に拡散していったサウンド・システムは、30代以降のクラブミュージック・ラヴァーから今も熱烈な支持を得ているが、今回の来日ライブでもレゲエ・ダブを活かした、いぶし銀のビートを奏でていた。来年は特集を組みたいと考えているYMOのライブが見れれば最高だと考えている。
舟津政志(Wax Poetics Japan 編集長)
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 2012年もビルボードライブ大阪さんにはお世話になりました。2時間オールスタンディングコンサートとかはつらくなってきた年齢なので、ゆったり座って音楽を聴けるのはありがたいですね。
 振り返ると2012年は、仕事も含めて邦楽アーチストをかなり観た気がします。梶芽衣子、ナニワエキスプレス、堀内孝雄etc。特に梶さんは本名の太田雅子時代からのファンだったので、取材を通してお近づきになれて嬉しかったな。
 あと印象に残ったライブと言えば、8月のジャック・ブルース&char。まさにクリームの現代版。ドラムの屋敷豪太が2人のバトルを楽しそうに見守っている表情も良かった。
 それと12月のプロコル・ハルム。ユーミンの登場はまさにサプライズだったけど、僕の狙いはジェフ・ホワイトホーン。IF時代から好きなギタリストで、やはり今回もパワフルなギターを聴かせてくれて納得。
 今後の来日希望アーチストは、ヴァン・モリソンとイアン・ハンター。はるか昔にインタビューしたエリック・バートンにも会いたいぁ。そこのところ、よろしくです。
石井誠 aka. マグナム石井(音楽評論家、番組パーソナリティー)

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