ビルボードライブスタイル

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tvk(テレビ神奈川)から発信され続けてきた長寿番組『Billboard TOP40』。 ギネスブックにも認定された、
その30年のヒストリーをVJ・中村真理さんと、昨年30周年を迎えたスターダスト・レビューの根本要さんに語ってもらいました!


洋楽がお茶の間にまで浸透した時代

根本: 僕ら、スターダスト・レビューは去年30周年を迎えたんですが、真理さんがVJを務める『ビルボードTOP40』も30年になるんですね。
中村: おかげさまで今年の10月に30年目に入りました。同じVJによる最も長寿な音楽番組として6月にはギネス世界記録の認定もいただきました。
根本: 番組が始まった頃から、僕も随分勉強させてもらいました(笑)。TOP40の合間に入る真理さんのアーティストにまつわる小ネタが面白くて。当時はとても珍しい形でしたよね。。
中村: うちの番組は放送作家さんがいるわけじゃないので、情報収集は自力。インターネットが普及する前は、アーティストの情報はもっぱら洋書店でアメリカの音楽雑誌を買って仕入れていました。「ビルボード」マガジンはもちろん、「ローリング・ストーン」とか必死に読みこんで。
根本: TOP40となると、日本ではあまり知られていない人の曲もいっぱい出てくるわけじゃないですか。それがインターネットもない時代に、あれはホント貴重な情報源でした。だって、まだ「ビルボード」って何なんだろうって時代ですよ。アメリカの権威あるチャートだということが真理さんの「ビルボードTOP40」でちゃんと認識された感じですよね。
中村: 確かにそうですね。番組がスタートした83年頃は、ミュージック・ビデオ、いわゆるプロモーション・ビデオが一気に音楽界に浸透した時代でした。アメリカでMTVが開局したことがきっかけでしたが、私がVJを始めた頃はマイケル・ジャクソン、マドンナがスターダムに駆け上り、ブリティッシュ・インベンションがチャートを賑わしていた時期でしたね。
根本: デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ……ニュー・ロマンティックスと呼ばれたルックスのいいバンド華やかなりし頃でしたね。
中村: 私はあの頃の音楽を聴くと、イントロだけで映像が浮かんできちゃうんです。この時代に流行った音楽は映像から入っているから、音をちゃんと聴いていないと批判されたりしたけど、映像を観て興味を持ったらCDを買って聴いてましたもんね。
根本: そう。結局、僕らミュージシャンは自分たちの音楽を色んな人に届けたいわけで、そのひとつがPVなんです。
中村: PVが普及したことで、洋楽がお茶の間にまで浸透したことは大きかったと思うんですよ。我が家はその影響で父はケニー・ロジャース、母はヒューイ・ルイス(&ザ・ニュース)のファンになったくらい(笑)


TOP40は音楽の裾野を広げる

根本:確かに80年代はPVやチャート番組を通して、洋楽が身近になりましたね。その後、巨費を投じて凝ったPVをつくる人も出てきたけど、時代は変わってもミュージシャンにとって、まず音楽ありきは変わらないと思うんです。
中村:そうですね。私はスタレビのようにライブを中心に30年続けてきたバンドも素晴らしいと思います。
根本:僕らはテレビ向きじゃないと、早いうちに諦めたから(笑)。今となってはそれが礎になりましたけどね。真理さんは30年間アメリカのチャートを見てきてどう感じますか?
中村:ヒップホップが台頭してきた90年代からチャートの様相が変わり、戦争が起きるとお気楽な曲が減ったり、社会的な状況がチャートに反映されるのがアメリカなんですよね。
根本:その一方でインディーズから大ヒットが出たり、最近ではネットからスターが生まれたり、音楽が面白ければ同じ土俵に立てるようになってきた。そういう新しい動きがチャートを面白くするのも確かですね。
中村:30年、私が心がけてきたことは、番組を通じて洋楽初心者を取り込みたいということなんです。ジャスティン・ビーバーを好きな子がTOP40を見て、ここを入口に他の音楽にも興味を持ってくれたら、という思いは変わりませんね。
根本:真理さんの語るエピソードをきっかけに、そのミュージシャンの音を聴いてみようという視聴者もいるだろうし、TOP40はとにかくいろんな音楽が混じってます。しかも今は、そんなチャートを賑わせた人が[ビルボードライブ]で見られるようになったのもありがたい。
中村:かつて夢中になって聴いていた人が今も現役でライブをしている。その姿を日本でも見られる。洋楽も成熟してきたと実感しますね。再結成や再始動もすごく増えたし、中には何度もフェアウェル・ツアーをやっている人たちもいるけど(笑)
根本:やめるなんて絶対もったいない(笑)! 僕らが続いてるのは、音楽が、バンドが楽しいから。それに尽きるんです。
中村:私も子供の頃に番組を見ていた30代、40代に「番組が継続しているのが嬉しい」と言っていただけるのは励みになります。
根本:『ビルボードTOP40』も僕らも独自の路線でやってきたから、30年も続いたのかもしれない。結果、継続は力なり、になったんですよ。


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