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鈴木聖美



デビュー25周年に加えて還暦という大きな節目を迎えて、9月に豪華なゲスト陣を曲ごとに迎えてのデュエット・アルバム『RADIO STAR HEROES』を発表した鈴木聖美。ジェロを迎えての「ロンリー・チャップリン」に、ゴスペラーズ黒沢との「夢で逢えたら」、木村充揮とのテンプター ズ、大澤誉志幸や杉真理の書き下ろしによる新曲など。自身の音楽遍歴とも重なる新旧の日本語ポップスの名曲を多彩に歌いこなし、新たな境地を切り開いた 彼女に、12/18のライブを含めて話を聞きました。


----節目の年にふさわしい、選曲/人選ともにスペシャル感のあるアルバムとなりました。


洋楽のデュエット作は以前に出したことがあったんですけど、邦楽は今回が初めてだったし。今までの自分にとって思い入れが深い人や繋がりがあった人と一緒にやりたいということで、人選を考えていきましたね。

----聖美さんの音楽的なヒストリーが凝縮されたような選曲になっている点も興味深いですね。

わりと年代別に分けたような感じなんですけど、例えば「コーヒー・ルンバ」は1950年代にヒットした曲で私は当時4歳ぐらいだったんですけど、この曲に関してはプロデューサーの(鈴木)雅之が“お姉ちゃんはこういう曲が絶対に合う”という推しがあって歌いましたね。

----AORなサンタナ調の大澤誉志幸さんによる書き下ろし曲といい、全体的にラテンっぽい曲調のものが多いのが新鮮だったんですけど。

そうですね。大澤くんの曲も、私はこういう感じの曲は歌ったことがなかったんだけど、ライブで一緒に歌ってみてもすごく気持ち良かったので。でも、日本人って昔からラテン音楽が好きじゃん。だから、私もルンバやマンボを子供の頃から聞いてどこか体の中に入っているものがあって。ずっと歌ってみたいと思っていたけど、今回はそれをアルバムで表現できたかなと。

----聖美さんがこれまでに歌っていそうで歌っていなかった印象の曲が多いですね。

そうそう、そうなの。「夢で逢えたら」も大瀧詠一さんの曲でラッツ&スターがカバーしましたけど、コレも原点に戻ろうという感じで取り上げましたね。

----あ、この曲はもう何度も歌われたことがあるのかと思っていましたが。

いやいや、全然歌ったことがなくて。今回初めてシリア・ポールさんが歌ったバーションを聴いて、それを元にしながら歌いました。

----ザ・テンプターズが68年に発表した「神様お願い」という選曲も驚きましたが。

「私が高校生の頃はちょうどGS(グループ・サウンズ)がブームの時代だったんですけど、テンプターズやハプニングス・フォーは好きで聴いていたりして。でも、この曲をデュエットで歌うにはどうすれば?というのはあったんですけど、旦那(※ツアー・バンドのギタリストの伊賀武氏さん)が木村(充揮)さんと歌ったら面白いかもとアイデアを出してくれて。「ロンリー・チャップリン」をジェロと歌ったらいいんじゃないかと言い始めたのもこの人なので(笑)、今回のアルバムは旦那のアイデアが結構通っていますね。

----ジェロさんも絶妙の人選ですね。
息子のような年齢のジェロとの「ロンリー・チャップリン」も、オリジナルよりもサウンドが明るい感じで非常に歌い良くて。なんか「ロンリー・チャップリン」が若返ったような感じがありました。

---他にも、昨年に亡くなった柳ジョージさんが5年ほど前に残していた音源との共演や、ラストを飾る杉真理さんの美しい書き下ろし曲など。ホントにこれまでの歩みや人脈が1曲1曲に集約されていますね。

そうね。だから、もっと次に歌いたい曲がいっぱいあるなという気持ちになれたので、その気持ちを大事に次に繋げていきたいですね。

----デビューから25年という節目を迎えて、今だからこそ以前よりも深く歌える歌などはありますか?

どうだろう…。昔はわりと曲を優先して歌っているところがあったんだけど、最近は詞の方を自分に繋げて歌う部分が大きくなっている気がします。今までは私はあまり詞を意識しないで歌うタイプのような気がしていたんだけど、最近は杉さんの曲の影響もあって、今の自分に伴わない詞はあまりうまく歌えないんじゃないかな、と思えるようになってきたところはありますね。

----なるほど。そんな新境地ももたらした最新作を引っさげて、12/18はビルボードライブ大阪に登場となります。

うん。今回のアルバムはデュエットを主にした内容なので、ライブにも相方として桑野信義にも参加してもらってそのアルバムを中心に、25周年にちなんだ曲も織りまぜてと思っています。

----聖美さんは、ビルボードライブの前身のブルーノート大阪時代からもう何度もライブをされてきましたが。

そうですね。あまり日本人が歌っていなかった頃からですから…、ホントに長いですね。大阪はお客さんもフレンドリーで反応もストレートだから楽しいし、いつもライブをやっていても時間を短く感じますね。

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