ビルボードライブスタイル

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 今年は猛暑だったので、秋の到来がいつもの年より待ち遠しかったですね。美味しいものに目がない食いしん坊の私にとっても、秋は本当に嬉しい季節。松茸、牡蠣、秋刀魚、もう少し寒くなってきたら河豚……恵み豊かなこの国の海と山の幸をいただける幸せは何にも代え難い。秋の味覚である栗のお菓子、マロングラッセやモンブランも毎年必ずいただく好物です。
 着飾って素敵なレストランに出かける機会もありますが、ひとりでふらっとカフェに立ち寄ったり、親しい友人と気の置けない居酒屋で盛り上がったり、好んで行くお店のテリトリーは広い方だと思います。音楽、ファッション、食事でもコントラストがあるものが好きなんです。
 ライブやお仕事で地方を訪れるときは、そこでしか食べられない名物を堪能するのも楽しみのひとつになっています。秋のはじまりにライブ・イベントで福岡と鹿児島に行ったときは、新鮮なきびなごやお魚、自家製のさつま揚げ、地鶏やゆず胡椒が美味しくて。お酒は九州ならやっぱり、焼酎。お料理の少し甘めの味付けには九州の焼酎が合うようになっているんですよね。ライブの後の開放感も手伝って、普段は滅多にやらない締めのラーメンまで食べてしまって、危ない危ない(笑)。
 鹿児島では温泉にも行ったんですが、紅葉のシーズンに来てみたいと思わせる素敵な場所でした。去年は私の出身地、北海道でテレビの旅番組に出演していたので、道内各地の美味しいものも色々いただきました。両親も北海道の人なので、お魚にはちょっとうるさいかもしれません。旬の美味しいものはお取り寄せもしています。
 食に関しては、とにかく好奇心旺盛。未知の味覚にチャレンジするのも厭わないので、サソリをいただいたこともあります。夏木マリさんが連れていってくださった中国薬膳料理のお店で、蠍座の友人を何人か誘って行った時は盛り上がりましたね。そういうイベント性の高い食事も日々の生活にメリハリがついて楽しいですよね。うちは家族の記念日にはプレゼント交換はしないけど、美味しいものを食べに行くことにしています。モノより美味しい思い出のほうが記憶に残ると思うので。

 私はグルメというわけではないんですが、ミュージシャンやDJの中には美味しいお店にすごく詳しい方がいますね。私がいちばん信頼しているのはFPMの田中知之さん。彼はとびきりグルメな上に、日本全国、世界の主要都市をDJでまわっているので、地元の人も知らないようなお店まで精通していて、グルメ・ガイドを出した方がいいくらい。初めて行く街のお店は田中さんにメールして、どこに行けばいいのか教えてもらうようにしています。
 私もピチカート・ファイヴの頃からツアーで世界各地をまわりましたが、どの都市でも必ず行ったのはお寿司屋さん。今や世界中どこでもあるし、外国の食事に飽きると自然に体が欲するんですよね。ブラジルで食べたお寿司はお醤油がなぜか蕎麦つゆでしたけど(笑)。やはり、お寿司は東京の江戸前がいちばんです。
 日本に暮らしていて、旬の美味しいものを食べる喜びは日々を充実させてくれますね。私のまわりは、お酒を飲むことも食べることも好きな人たちが多いので、類は友を呼ぶのかな、最近はお酒好きのメンバーと一緒に居酒屋巡りを楽しむことも。この夏はホッピーの美味しさに目覚めてしまいました。
 でも、そこがたとえ大衆居酒屋であってもお洒落には気を抜かず、そのギャップを楽しむことが私の流儀。東京もまだまだ知らないところがたくさんあるし、普段はなかなか行かない街の雰囲気も新鮮。そんな未知の味を探す食べ歩きも、過ごしやすい秋がいいですね。
 お酒は飲める方が人生はたぶん楽しいはず、と思っている私が、季節を通していちばん好きなお酒はシャンパン。いつでも気持ちが華やぐシャンパンのような贅沢なひとときをこの秋の[ビルボードライブ]のステージでお届けしたいと思っています。
 今回のコンセプトは『渋谷系スタンダード計画』。渋谷系ムーブメントから20年、今も新鮮に響く渋谷系の名曲をスタンダード・ナンバーとしてお届けします。どうぞお楽しみに。(談)



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