ビルボードライブスタイル

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福原美穂




音楽を聴いて私が初めて心を動かされたのは、マライヤ・キャリーがマディソンスクエアガーデンのライブで「ヒーロー」を歌った映像を観たときです。当時は小学校3年生。そのとき初めて自分でも歌いたいという衝動に駆られて、そのまま姉の部屋に走っていき、彼女が持っていたマライヤのCDを引っ張り出して、「よし、マライヤ・キャリーを歌えるようになろう。あの人を超えるんだ」って。それからは1日1曲覚えるのが目標。姉の部屋にあったいろんなR&BのCDを耳コピしまくっていました。

最初に買ったCDはアレサ・フランクリンの『レディ・ソウル』です。確か中学1年の終り頃。姉は90年代のRB、父はビートルズとかブルースをよく聴いていたんですが、姉が聴いていた音楽のルーツは、そういうソウルミュージックだったりするっていうのをライナーノーツとかを読んだりして気になっていたんです。それでCDショップに行って並べられていたソウルの棚で最初に手にしたのがアレサでした。

そこからアル・グリーン、ウィルソン・ピケット、オーティス・レディング……60年代、70年代のソウル・ミュージックを聴くようになりました。

私は彼らの音楽を「リアル・ミュージック」と呼びたいんです。真似しようにも真似できないフレイヴァーがあるし、歌だけじゃない何かがある。特に彼らは楽しそうに歌うところが大好きでした。当時はまだ人種差別もあった時代で、ステージを降りれば辛いこともあったはずなのに、歌っているときはすごくハッピーなオーラに溢れている。今振り返ると、そういうところに惹かれていたんだろうなと思いますし、自分の歌もそういうものでありたいなと思っています。

今回のミニ・アルバム『Regrets of Love』は、生音にこだわって、ワールド・スタンダードなものをめざして作りました。あと、このアルバムでカヴァーしたCharaさんの「ミルク」との出会いは、実は[ビルボードライブ]なんです。お互いのライブに行き合う仲だったんですが、彼女の[ビルボードライブ]公演にお邪魔したときに、初めてこの曲の存在を知って。ライブを観ている側から「この曲カヴァーしたい!」って。

カヴァーは、私の音楽活動の原点、ライブでも欠かせない私の音楽表現のひとつです。アルバムの初回限定盤には初めてライブ音源も入れていますが、ライブも私の音楽表現に欠かせないもの。ライブは自分でパワーを放出しつつ、お客さんからも次に繋がるパワーをもらえる空間ですから。ライブからは常に音楽の恵みをいただいてます。

もちろん[ビルボードライブ]で観るライブからもたくさん刺激と恵みをもらっています。本当によく来ていて、もうどこの席がどんな音がするかわかるくらい(笑)。特に印象に残っているのはミシェル・ンデゲオチェロとアンソニー・ハミルトン。アンソニーの歌声はパワフルでスピリチュアルで神がかかっていました。

[ビルボードライブ]でのライブは、ものすごく特別な感じがします。客席とステージがとても近いし、ステージと一対一で繋がっている感じがどの席にいても味わえてプレミアム感がある。自分でもローラ・イジボアのステージに飛び入りさせてもらいましたが、見せる側もいつもと違うアレンジで聴かせることができる場所だからスペシャル感がある。ここにしかないライブ、というのが[ビルボードライブ]にはあるし、それがいつも楽しみなんです。(談)




福原美穂 Miho Fukuhara

1987年北海道出身。15歳の時、地元のテレビに出演したことがきっかけで道内のみでミニ・アルバムを2作発表、10,000枚を超える大ヒットを記録。2008年に「CHANGE」でメジャーデビュー。以来、そのスケールの大きな歌唱力で数々のヒットを生み出してきた。2010年12月には5曲入りのバラード・ミニ・アルバム『Regrets of Love』をリリース。海外の辣腕プロデューサー陣によるナンバーに加えて、映画『悪人』の主題歌「Your Story」、Chara本人も参加してのカヴァー「ミルク2010with Chara」も収録。

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